スター・システムとしてのウェブログ

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Bloggerに始まり、Movable typeなどのウェブログ・ツールが開発されウェブログ・ブームというべきものがアメリカから世界へ波及した。

 日本でもNews-Handler [ココログ]@niftyexcite.blogdoblog...、そして公開されたばかりのロリポップによるJugemに至るまで次々とウェブログ・サービスが打ち上げられてきている。一般社会にどこまでブログやウェブログ、という言葉が浸透しているかは定かではないが、少なくともなんらかのウェブサイトを運営してきた者がウェブログ・システムやサービスに次々と乗り換えている、というレヴェルにおいてブームになっていると言っていいだろう。


最近思うのは、ウェブログ界隈において明らかにスター、もしくはセレブレティ的な存在の人々が出現してきたこと、ということである(国内においてはStart!JUGEMの執筆者の一部の人々がその代表だろう)。有名なウェブログ作者が本を出版するということは海外でも日本国内でも、かなりよく見かける現象になってきている(たとえば、ARTIFACT -人工事実-のエントリーバグダッド発のWeblogが書籍に などでそれが確認できる)。

ウェブログ以前にも、侍魂など一部のテキストサイトや日記サイトが熱狂的な人気や支持を得るということはよくあった。しかし、それは口コミ的な広がり方だったように思う。

 しかし、ウェブログ・ツールやサービスが広く知られ採用されるようになるにつれて、個人による有名なテキスト・サイトやニュースサイトがぐんと増えた。これはウェブログのほとんどが他サイトに簡単にリンクを貼ることができるサービスを採用していることがまず第一に考えられる。先陣を切った海外のBlogRolling!や日本国内におけるBlog PeopleMyblogListなどがその良い例だろう。また、ウェブログの更新記録などを統合したり通知したりするサービスも次々に充実を見せている。こういった統合サービスがウェブログ・ポータル化し、そこで提供する人気ランキングなどがウェブログ界のスターを生み出していると推察することは難しいことではないだろう。
 
 ウェブログ以前の、いわゆる日記サイトやテキストサイトはフォーマットが統一されていなかった。日記サイトのサービスもたくさんあったが、そこに共通性や相互交通などはあまり見受けられなかった。もちろん、それぞれのサービス業者が、サービスや外観を他サービスに対して差別化する方向に動いていたのだから、至極当たり前のことである。

 しかし、ウェブログ以降はテキストサイトや個人サイトの業界標準を生み出したと言って今はいいだろう。後発のウェブログ・サービス提供業者もRSSやトラックバックの装備などといった基本サービスを提供することをまず心がけているだろう。これはウェブログ@ことのはの松永氏の言葉を借りれば「知識のオープンソース的共有」ということになるだろう(ウェブログ@ことのは「ブログ――メディアのオープンソースコード」にもう少し詳しいことが載っているので参照されたし)。

 また、ウェブログ・ツールやサービスを利用することでホーム・ページ運営の敷居がぐんと低くなったと言える。そこで、今まで傍観者もしくは閲覧者に終始していたインターネット利用者層が、能動的な発信者に移行するという流れが起きた。そういった人々が、自分で情報を収集したり、情報発信のお手本を探したりという形で、より熱心に他のウェブログを閲覧するようになるというのは、それほど不自然ではないだろう。

 テキストサイト、もしくは個人サイトの標準フォーマットや統合サービスが整備されてからというもの、個性あるウェブログ作者がその他大勢から一歩抜け出す、ことはさほど難しくなくなったのではないか。ウェブログは、更新するコンテンツや情報にページの運営者が集中できるシステムである。また、閲覧者側も、標準化されたページの外観や情報提供の中から、本当に価値のある、もしくは興味をそそる情報やコンテンツ収集に集中できるようになってきた、と言えるのではないか。

 ウェブログはなんといってもサイトの見た目うんぬんよりもコンテンツに閲覧者側が注意を払う。内容が濃い、質の高い、興味を引く、楽しませる、さまざまな形のコンテンツ提供のありようがあるが、閲覧者は以前より厳しい目を持つようになってきたように僕は想像する。ウェブログ経由で文章を発表する人々が増えた分、閲覧者も数あるサイトの中から自分とって価値あるウェブログを取捨選択することはますます重要になってきていると思われるからだ。

 そういった中でARTIFACT -人工事実-の加野瀬氏、ウェブログ@ことのはの松永氏のようなプロのライターが本物志向の閲覧者の中で人気を得、一歩抜け出したり、ウェブログ・ツールの技術や情報に詳しい人々がウェブ・ログ・ツール使用者のニーズを満たした結果として彼らがウェブログ界隈のスターになっていくのは不思議なことではない。

 現在でもウェブ・サイトのアピアランス、外観はもちろん重要に思える。しかし、ウェブサイトが提供するコンテンツの重要な位置を占めるテキストの重みがインターネットの世界でも少しずつ浸透し始めているように思う。この件に関しては、MieManiax「Webライター」さんいますか?というエントリーがそれを現場のウェブ・ディレクターの立場から裏付けているように思う。
 
 ウェブログ執筆者のスターが次々と現れていく経過を横目に見ながらそんなことを考えたのだった。


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