2003年10月
Robert Frank
Robert Frankは第二次大戦後、アメリカを代表する写真家の一人である。1924年スイスのチューリッヒ生まれ。1958年に発表されたThe Americansは戦後の写真史における重大な出来事の一つとされている。アメリカを部外者のまなざしからシニカルに、時にアイロニカルにとらえたフランクの写真は当時のアメリカ人にとって大きなショックを与えた。
Robert Frankの写真を現在のわれわれの目からとらえたらそれほど衝撃的とは思えないが、ドキュメンタリー写真史の文脈に彼をおくと当時の彼の写真はかなり異端である。当時のドキュメンタリー写真は(Walker Evansなどの一部の例外をのぞけば)社会変革や政治的な意味合いをこめたものが多かった。しかし、Robert Frankの写真において、社会的な文脈はあまり重要でないように思える。たとえば、僕が写真の入門書として読んでいるとある本によれば「(Robert Frankは)普通の日常の光景がまさに神話になりうる瞬間をとらえた」という風に言及されている。そういう意味合いでは、彼の写真に対する姿勢はドキュメンタリーよりも芸術的趣向が強かったように思う。

しかし、Street Photographyという文脈では彼は街角を様々な形で「記録」しているわけで、やはりドキュメントの部類に分類可能であるし、その意味ではやはり面白い視点をこの分野に注入したことになると思う。ただ、現代的な文脈ではRobert Frankの写真は後の芸術写真家により多くの示唆を与えたのではないか、と僕は勝手に想像している。写真の勉強をし始めたばかりの素人なので。
Read more …WIDE University
インターネット講義が中心の大学ですが、中身が充実しています。日本語と英語に対応していて、行われた講義はアーカイヴ化されオン・デマンドで学生登録していない人間も見ることできます。僕も2つの講義と1つの講演を「聴講」してみました。
ネットで調べものをしていたらたまたま見つけました。WIDE University, School of Internet。
日本以外のアジアの学生にも開かれていて、2001年の4月の時点で学生の登録数が7000人を越えているそうです。今は1万人は越えているかもしれません。HPによれば実験段階のため、受講は「無料」だそうです。この大学のビデオ・アーカイブはとても魅力的です。
バーミンガム訛り

バーミンガムがけっこう訛りが強い地域であることは日本にいるときから情報として知っていました。始めのうちはぴんとこなかったのですが、最近になって実感しています。
バーミンガムとその周辺出身の学生が授業中にぼそぼそと話し出すと部分的にしか聞き取れないことがあります。かなりの集中力を必要とします。それでも、話の細部まではキャッチできない。知り合いのイギリス人が大げさにまねしたのを聞いたところ、言葉の抑揚がかなり頻繁にバウンドする印象を受けました。アップダウンが激しいのです。
一対一で話しているときは問題ないかな、と思っていたんですが、今日たまたま隣に座ったバーミンガム出身の学生と話していてもところどころ聞こえない部分がありました。バーミンガム云々いう前にイギリス英語の音に慣れていないということもあるかもしれません。また、僕自身の英語のバックグラウンドを考えた場合、僕の聞いてきた音というのは完全にアメリカ西海岸に限定されている(カリフォルニア州10ヶ月、ワシントン州に一年)ことも関係あると思います。というのは、西海岸英語がわりあい高い音でクリアに発音されるのに対して、アメリカ東海岸やイギリスは若干こもった感じの低い音で発音されることが多いからです。
Read more …エスニック料理の楽しみ
フラットに入居してからずっと自炊です。僕はグルメ志向とか、味にうるさいとか言うことは全然ないのですが、いろいろなエスニック料理を食べるのがここ数年で楽しみの一つになりました。イギリスに来て思ったのは、スーパーマーケットにインド系の料理がすごく充実していることです。もちろん、昔植民地にしていた関係で貿易が盛んになったことと、旧植民地からの移民が結構多いので彼らからのニーズがけっこうあるからだと思います。
ナンやチャパティーなんかが1£以下で何枚も買えるのは僕にとっては嬉しい環境です。また、東京国際交流館に住んでいたときお隣がパキスタン人の家族で、仲良くしていました。時たま、そこの奥さんに向こうの料理を図々しくご馳走してもらっていました。でも、日本ではあまり一般的ではない料理はどうやって作るのかは謎のままでした(ナンの作り方はうちの奥さんと一緒に教わったことがある)。フラット・メイトの一人Naveedはフランス人ですが、もともとの出身はパキスタンなので、こんな料理を昔ご馳走になって自分で作れるものなら作ってみたいんだよね、という話をしたら、かなり丁寧に教えてくれました。それで、ダールというオレンジ色の豆からスープを作ってみました。色や味や食感など、日本で友人にご馳走になったものとほとんど同じ味が再現できて感動しました。
Read more …JOHNNY ENGLISHを目指して
月曜日でしたが、授業を担当している教授がニューヨークに出張しているので授業が別の日に振替になったため、大学院の授業はありませんでした。とはいえ、やることはいろいろとあります。まずは木曜日に迫ったプレゼンの準備。これが最優先。次に、各授業のリーディング・アサインメント。その他、手紙を書いたり郵便局に行ったり、食料の買い出し、スポンサー関係の人との打ち合わせなど。
しかしながら、朝食の後、知り合いから借りていた映画JOHNNY ENGLISHのDVDに思わず手が伸びそうになります。MR.BEANで有名なローワン・アトキンソンが主演していて、前々から観たいと思っていました。しかし、そこでぐっとこらえて、今日のTO DO(やるべきこと)をノートに書き出してみました。やっぱりDVDを観ているどころではない。そこで、本日のTO DOをすべてこなすことができたら、JOHNNY ENGLISHを観ることにしました。課題を達成したときの成功報酬に設定したわけです。
そのノートを眺めてみて、だらだらとやるのではなく30分ごとに区切ってやってみたらどうだろうという考えが浮かびました。というのは、1時間ごとに課題にとりくんでいると途中でだらけてしまう傾向が僕にはあったからです。ともかく、30分というのは真剣に何かに取り組んでいるとあっという間に過ぎてしまう長さだということが、正午頃までにはわかりました。
Read more …グラスで水を飲む
ちょっと前のことになりますがグラスを99ペンスで買いました。値段的には日本の100円ショップに近い感覚です。こちらの知り合いにマグカップを数個貸してもらったので、水を飲むにも歯を磨くにも、コーヒーを飲むにも、それで足りると言えば足りるはずです。
それなのになぜ、グラスを買ったのか。それは、なんとなくマグカップで水を飲むとあまりおいしく感じないからです。マグカップで水を飲むことと透明なグラスで水を飲むことに物理的なちがいはありません。水の味が変わったりするわけもありません。しかし、気分的・雰囲気的には確実にちがうのです。理性的には同じ水だろ、カップで飲もうがグラスで飲もうが代わりはないだろう、と思っていながら。思うに、僕はこの場合、文化的な感覚に支配されているのだと思います。水をグラスで飲むことを無意識に習慣化していた僕にとって、マグカップで水を飲むことには違和感があります。また、透明なグラスに入った冷たい水は美味しい、という頭の中のイメージもいわば僕を支配しているわけです。おかげで、そのイメージからはずれた行為、マグカップから飲む水は不思議なことに美味しく感じられません。味覚ではなく、やはり気分的にです。
ささやかな個人の生活レヴェルでも文化や観念的なイメージが私たちの身体・行動・思考に影響を与えていることをグラスを買うという行為を通じて認識した気がします。
Siemens A50
イギリスにいる期間は長くて一年なので携帯電話を購入するつもりはさらさらなかったのですが、必要に迫られて購入しました。
というのは、フラットの自分の部屋から外線をかけられない状況が3週間ほど続いているためです。電話会社になんども連絡しましたが回線異常を認めてくれたのが今週に入ってから。今日になって電話が来て、一時間後には直っているはずだから、というので待ってみたものの5時間以上経っている今も状況は変わらずじまい。
一ヶ月近く住んでみて、イギリス人のサービス業の人間に日本のようなサービス精神を期待するのは無理だということはわかったのですが、それにしても一向に改善されない状況と不誠実な対応に飽き飽きしました。ただ、あれやこれやでメールよりも電話で連絡しなければならない場面が増えてきたのでやむを得ず携帯電話を購入することにしました。
Read more …最寄り駅
大学の時計塔からほどないところに鉄道の駅があります。なんのひねりもありませんがUniversity Station。バーミンガムのシティー・センター(ダウンタウン)へアクセスできる駅、New Street Stationへは二駅なのでなかなか便利です。バスのネット・ワークもかなり発達しているのですが、東京にいたときの感覚で鉄道を好んで利用しています。交通運賃に関しては、鉄道もバスも日本に比べるとかなり安いです。アメリカもカリフォルニアやワシントン(州)などはかなり安かったので、日本の交通機関(特にJRと私鉄)が割高ということになると思います。シティー・センターから戻るとき、大学の近くになると線路沿いに小さな運河が見えます。運河を眺めながら、列車を降りる準備をゆっくりと始めるとちょうど最寄り駅につくタイミングです。
歓迎式典
今回の留学のスポンサーであるロータリー財団の地区歓迎式典に参加してきました。ロータリーは地域の小さな集まりであるクラブと、それを大きなレベルでまとめた区域(district)、その次に各国レベルの組織、という形で構成されています。本日は、僕の所属するDistrict 1060の奨学生たちの公式の歓迎会。バーミンガム大学以外に、ウォーリック大学、コヴェントリー大学の奨学生などが集まりました。式典自体は小一時間で終了。
帰りは、インド出身の医師、Dr.Raoに同じバーミンガム大のジェニファーとテレッサ(二人ともアメリカ出身)と一緒に車でフラットまで送ってもらいました。途中、バーミンガムのシティー・センター近くの運河沿いのレストランで昼食をDr.Raoにごちそうになりました。シティー・センター近くの運河沿いの景観は落ち着いていて思いの外きれいでした。とても寒かったけれど。よく利用しているシティー・センターの駅New Street Stationからもさほど遠くないことが確認できたので、今度は自分一人で歩き回ってみようと思っています。劇場やらコンサート・ホール、コンベンション・センターといった文化施設もこのあたりに集中しているので。
WEEK 1
授業が29日に開始されてから、あっという間に週末になりました。始めにオリエンテーションがあって、学位取得に必要な単位の取り方とか、そういったベイシックな情報はもらえました。ただ、授業を担当する教授や授業時間などの情報がほとんど提供されなかった。後でわかったことですが、研究科の掲示板に自分の授業時間のタイムテーブルを作って掲示していた先生はたった一人(しかも、それが3分の2は授業時間が間違っていた)。おかげで、授業内容を確認するファースト・ミーティングを聞き逃しました(僕だけではなかった)。それで、個別に教授の研究室に行ったり、メールを直接出していくつか必要事項を確認したりしているうちに一週間が過ぎた感じです。おそらく日本の大学でいう事務系の人をほとんど雇っていないことと、教授同士の横の連携が情報のレベルに限ってはうまく取れていない、というのが僕や他の院生が持った印象でした。とりあえず今の段階ではなんとかコースの全体像を把握できた感じです。