グラスで水を飲む

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愛用の目覚まし時計ですちょっと前のことになりますがグラスを99ペンスで買いました。値段的には日本の100円ショップに近い感覚です。こちらの知り合いにマグカップを数個貸してもらったので、水を飲むにも歯を磨くにも、コーヒーを飲むにも、それで足りると言えば足りるはずです。

それなのになぜ、グラスを買ったのか。それは、なんとなくマグカップで水を飲むとあまりおいしく感じないからです。マグカップで水を飲むことと透明なグラスで水を飲むことに物理的なちがいはありません。水の味が変わったりするわけもありません。しかし、気分的・雰囲気的には確実にちがうのです。理性的には同じ水だろ、カップで飲もうがグラスで飲もうが代わりはないだろう、と思っていながら。思うに、僕はこの場合、文化的な感覚に支配されているのだと思います。水をグラスで飲むことを無意識に習慣化していた僕にとって、マグカップで水を飲むことには違和感があります。また、透明なグラスに入った冷たい水は美味しい、という頭の中のイメージもいわば僕を支配しているわけです。おかげで、そのイメージからはずれた行為、マグカップから飲む水は不思議なことに美味しく感じられません。味覚ではなく、やはり気分的にです。

ささやかな個人の生活レヴェルでも文化や観念的なイメージが私たちの身体・行動・思考に影響を与えていることをグラスを買うという行為を通じて認識した気がします。




おきてがみ



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