2004年1月アーカイブ

ChannelOne.jpgNo Logo(Naomi Klein著,p89-90)によれば、カナダにChannel Oneという若年層を対象としたテレビ・サービスがあるという。この番組とそれが提供するCMを視聴することに同意した学校側は、無料でそのコンテンツ、受像器の提供を受けることができる。Channel Oneのコンテンツは、学習の視聴覚教材を主にフィーチャーしている。

 このサービスは地方自治体の教育財源の削減が進む一方で、視聴覚教育などの設備投資が年々重要となってきている学校側のニッチ市場を満たす形になっているのだ。しかし、Channel Oneのコンテンツ受像器に関して、そのヴォリュームやチャンネルをコンテンツ受容者はコントロールすることはできない。授業とはまったく内容的に関係を持たないCM内容も生徒は教材の一部として必然的に享受せざるを得ない状況だ。

no logo.bmp移動中の読書用に、あまり肩が凝らなそうで、ある程度自分の学術的な興味をかき立ててくれそうな本をさがしていた。Naomi KleinのNO LOGOがちょうどいいのではと思いたちキャンパス内の書店で購入。

 おそらく、これはLogolization(人間のロゴ化、人間の広告塔化現象とでも訳すべきか?)について分析しているのではないか、という期待がある。

 例えば、有名ブランドであることがあまりにも明白な商品を身につけている人々は、彼らの側からすれば高価なブランド・イメージを持った商品によって自分の社会的イメージを高める一つの戦略というか努力なのかもしれない。しかし、企業側からすれば、彼らが自分のブランドの商品を身につけて町をうろついてくれるだけで無料の広告塔として機能してくれている、ということにもなりうる。バブル期はたくさんの人々が明らかに広告塔として町中を闊歩していた時代だった、と僕は感じる。

holybook.gif

日本語でも英文(下記本文の下線部参照)を読んでいても「マニ教的二元論」や「マニ教的二項対立」といった表現は昔からよく文章の中に登場してきていた。そういう宗教があるのだろう、というくらいで今まで深い考えもなく、やり過ごしてきた。ふと思いとどまって「マニ教」で検索エンジンにかけてみるとあっという間に見つかる。確かに、広辞苑など引いても比較的マニ教に関しては詳しく解説されているのだが、フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia) 』にとてもうまくまとめられているのを発見したのでメモ代わりにエントリー。

Wikipedia マニ教

Manichaeism

art_As_pulse.gifクラカウアーについて調べていると、『メディア時代の芸術―芸術と日常のはざま―』の著者である吉積 健氏(京都工芸繊維大学教授)のウェブサイトMedia Image& Arts を発見。内容的にはとても充実しているようだ。ただ、ナヴィゲーションが若干複雑なので、時間のある時にでゆっくり探索してみるつもり。

 このサイト内のKRACAUER( 1889-1966)に関する記述はこちら

department.gifアメリカにおける消費主義の出現は19世紀後半だと言われている。シカゴ博も、その契機になったイヴェントだと論じる研究者は少なくない。彼らの主張する理由はまちまちだが、それに付け加える形で個人的な仮説を立ててみる。

 pleasure of commodity consumption(商品を購入することの快楽)を加速させた大きな要素はスペクタクルではないか。僕は今のところ、スペクタクルをvisual excitement(視覚的な興奮)を提供する光景や風景くらいの意味で使っている。一般的に言って万国博覧会は、建築物・文化的展示品・機会技術品などで会場があふれかえっていたスペースである。会場に足を踏み入れた瞬間、19世紀末後半の万博入場者たちは圧倒されたに違いない。なにせ、見たことも聞いたこともないような国のヒト・モノであふれている初の国際的なメディア・スペースがそこに目に見える形で現れたのだから。万国博覧会の会場そのものがスペクタクルだったはずだ。

CIMG0122.JPGホテルで朝食を取ってから、ローマへ発つ彼女を見送るためヒースロー空港へ。チェックインを済ませた後、本屋でイギリスの地図を見ていると店員がやってきて非常事態のようだから外に出てくれという。空港内にいた人間が一斉に屋外へ。パトカーや消防車が次々と入ってくる。空港の外でひたすら待たされる。アナウンスもなく何が起こっているのか、状況もわからなかった。しかし30分位すると空港に入っていい、との許可が出る。バーミンガムに戻ってから、テレビをつけてみるとどうやらアメリカからヒースローに危険物を持ち込んだ男が発見され一時的に警戒態勢に入っていた、ということらしい。

prince_edward_thetre.JPG午前中にフラットを出る。うちの奥さんのスーツケースの色はショッピング・ピンクである。大の男が運ぶのをためらわせる色だ。もし、今度新しいスーツケースを買うことがあったらもう少し地味なものにしてほしいと注文する。しかし、彼女は「バゲッジ・クレームから出てきたときに一瞬でわかるから便利」という主張をするので平行線。

 午前中にバーミンガムを後にし、電車にてロンドンに向かう。ヴァージン・トレインの特急電車の乗り心地はなかなかよかった。バーミンガムからロンドン・ユーストンまで2時間半くらい。チューブを乗り継いでEarl's Court Station近くののホテルにチェック・イン。ロンドンにやってきたのは、二度目。初め訪れたのは2001年の夏。

yoshi_Janet.JPG7時になって約束通り、スポンサーであるロータリー財団のカウンセラーDavidがフラットまで車で迎えに来てくれる。うちの奥さんを助手席に乗せ、僕は後部座席に。バーミンガム北部郊外のSatton Coldfieldを目指す。Davidの英語は癖がないので、かなり聞き取りやすく、彼女も少しずつ英語での会話にエンジンがかかっていった。英文の読解能力はともかく、発音は僕より彼女の方がより英語の音に近い、と個人的には感じている。

institute.jpgバーミンガム大学は本日より春学期が開始。とはいえ一週目は、ファースト・ミーティングに出席しつつ、授業スケジュールの調整というのがアメリカン・スタディーズの場合は、一般的だということを秋学期の始めに学んだ。このコースはDegree courses rated excellentに選定されているが、セメスターの初めだけはとてものんびりしている。

 というわけで、授業担当教授に前もってメールで問い合わせをしておいたのだが、はっきりしたスケジュールが組まれたのは一つの授業だけ。大学のキャンパスを案内がてら、彼女と一緒にアメリカン・スタディーズのデパートメントへ。大学院生用の掲示板と、担当教授の個人掲示板をチェックしたところ特に新しい情報はなかった。オフィスへ行って確認を取ると、まだ把握していないという。同じコースの知り合いに携帯で連絡を入れて確認すると、彼女のもっている情報も僕と同じだという。セット・アップされているミーティングの日はうちの奥さんを空港で見送る時間と重なっているので、それはスキップすることにする。やむを得ない。
 

CIMG0047.JPG昼食は、彼女たまたまが食べたことがないというので安上がりにFish&Chips(前にバンクーバーに一緒に旅行したときに、僕は食べた記憶があるのだけれど、彼女が食べたかどうかというところまでは覚えていない)。

 バーミンガムはShopping Capital in Europe(ヨーロッパにおけるショッピングの首都)を標榜する都市、ということでその後、大型ショッピング・モールBullRingSelfridgeなどを簡単に紹介する。その後、二時間ほど、彼女は自由行動。一方で、僕はモール内のStarbucks Coffeeで、まだ完全には片づいていないエッセイの続きに取り組んだ。

 シティーセンターを後にし、電車で僕のフラットへ一時戻ってから、近所のバルチ(Balti)料理屋へ。

city_canal.JPG天気はといえば、風が強く、時々雨がぱらついた。体感温度はかなり低い。運河沿いを歩きながら簡単に観光。

高級ショッピング・モールのthe Mail Boxをさらりと通過した後、National Sea Life Centerへ。こぢんまりした水族館だが、巨大なウミガメや生きているカブトガニなどが印象に残った。カブトガニの足はいったいいくつあるのだろう。かなりの数が甲羅の下で蠢いていたが、ちょっと想像がつかない。

yoshiko_canal.JPG  午前中より電車に乗ってバーミンガムのシティー・センターへ。昨晩は日が落ちてしまっていたため、見ることのできなかった線路沿いに走る運河を彼女は目にすることができた。

どうしてイギリスの多くの線路沿いに運河が走っているのか。もともとこの国は運河を主要交通機関としており、それが産業革命以降は列車にとって代わった。しかし、運河をつぶすようなことはしないで、運河に沿って多くの線路を敷いた。その結果、イギリス国内を電車で旅行すると、車窓からなかなか趣のある運河をあちこちで見かけることができるわけだ。僕の場合、Tarris 家に遊びに行くと必ずJohnと一緒に一時間ほど犬のCharlieの散歩に出かける。そのコースに自然に溶けこんだ運河があって、そこを散歩するのは、とても楽しい。

到着

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nationalexpress.JPG
バーミンガムを僕の奥さんが初めて訪れる。彼女を出迎えるためにバーミンガムDigbeth Bus Station 11時半発のコーチにてヒースロー空港へ。彼女のBritish Airways006便はは30分ほど予定より早めに空港には到着。それから30分後、彼女は到着口に姿を現した。彼女と一緒にコーチにて再びバーミンガムへ。この時期のイギリスの日は短く、コーチが出発した五時には辺りは真っ暗になっていた。

    Birmngham New street駅から、電車で最寄りのSelly Oak駅へ。そして、僕の滞在先のJarratt Hallへ。

お知らせ:
実際の文章のエントリーは遅くなると思いますが、彼女の滞在中に撮影した写真をPHOTO BLOGに追加しました。近日中、さらに追加していく予定です。

stencilled_paper.JPG今、僕がいるバーミンガム大学といえば、近年、人文系の学問の流れを大きく変えようとしている言われているカルチュラル・スタディーズの発祥地、バーミンガム現代文化研究センター The Birmingham Centre for Contemporary Cultural Studies、いわゆるCCCSで有名だ。日本にいるときから一度は訪ねてみたいと思っていた場所なので、奨学金をいただいて大学院で勉強できていることは幸せである。

 

tomcruise.JPGテレビをつけるとトム・クルーズがなんと武士道を日本語混じりで語っていてちょっと驚かされた。新渡戸稲造の『武士道』はアメリカにおける日本文化のクラシックの一つでかなり昔から英語で読める。僕も一度だけ読んだことがある(日本語のもの)。トム・クルーズも『武士道』を映画のためにしっかり読んだようで、彼の理解はかなり正しいと感じた。

それはともかく「僕はこれまでの人生でずっと日本文化に心惹かれてきたんだ(I have been fascinated with Japanese culture for my whole life.)」というのは、僕にはかなりとってつけたように聞こえた。どことなく。

orgazmo.jpgTVをつけるとカリフォルニア州知事が文字通り全身泥だらけになってPredetorと戦っている。そういえば、知り合いのアメリカ人が彼のことをterminatorではなくて、governator(政治を駄目にする人間、というくらいの意味を持たせているのだと思う)などと皮肉っていたのを思い出した。

年末年始に観た映画の覚え書き。

Face Off★★★★★
Formula51★★☆☆☆
Greenmile★★★★★
Legally Blond 2 ★★★☆☆
Orgazmo ★★★★★

societyofspectacle.gifFilm&VisualCultureクラス用に書いていたエッセイ、映画15minutesに関する内容が一通り形になった。

 15minutesは巨額な予算が投じられた超大作のハリウッド映画である。社会批判的な内容とメッセージは十分感じられるものの、それをオーディエンスに伝え、考えさせるためのナラティヴは、多用されているスペクタクル(迫力のあるシーン)によって崩壊しているのではないか。もしくは、ハリウッド映画が近年頻繁に作品に盛りこむようになった社会に対する問題意識を思わせるテーマ群は単なるステージングの便利な装置として、映画テクストの生産者側が消費しているだけにすぎないのではないか、ということを問いかける内容。

poster.gif blogのシステムの中でも、カテゴリーを細かく分けて設定できる機能は、さまざまな内容をアーカイヴ化するさいに便利で特に重宝している。

 最近、過去にエントリーした内容を引っ張り出してきて、エッセイを執筆するさいのヒントにしたり材料として使ったりしてみて改めてそう思う。

 個人が手軽にデータをシステマティックにアーカイヴ化でき、それを後々検索することが容易な点はblogの大きな魅力の一つだと思う。アーカイヴという名の情報蓄積システムにおいて、過去のデータが再利用しやすい、いつでも参照できる、という要素はとても重要だということを、blogという一つの文化的実践は経験として教えてくれた。

 少し意識的に将来役に立ちそうなデータをエントリーしていくことで、ますます心強い個人データベースができるのではないかという期待も大きい。もちろん、バックアップをこまめにとることも忘れてはいけないけれども。

newyearguy.JPG

あけましておめでとうございます。

日本に遅れること9時間、イギリスでも年が明けました。もちろん、こちらが世界標準時なので日本がその先を行っているわけですが。 

もうしばらくの間、大学院生生活を続けながら、ここバーミンガムにてウェブログを更新していく予定でいます。

とりあえず、今月10日から日本で離れて暮らしている僕の奥さんが一時的にバーミンガムを訪れる予定なので、楽しみにしています。

昨年はいろいろとありがとうございました。

また、本年もどうぞよろしくお願いいたします。  2004年 元旦 



阿久澤 騰 執筆書籍


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