そういったことは頭ではわかっていても、漠然と色を用いていることが多かった。もちろん、色彩心理学といったところからきちんと構えて勉強することもできるはずだが、そこまで包括的な知識を今の段階では必要としていない、という僕のような人間には、藤村 正宏 (著) 『「劇的(ドラマティック)」に「色」で売れ!』はぴったりの本だ。
マーケティング的な視点で成果を上げることにフォーカスしているぶん、話が具体的でわかりやすい。巻頭と巻末にカラー写真などの実例もふんだんに使われているので、確認しながら読み進めることもできる。
ちょっとだけ例を紹介すると、飲食関係なら暖色系は○で寒色系は○。茶色の絵は過去を連想させ、青色の絵は未来を連想させる。
この本を読んだ後、街角に並ぶ店の看板を眺めるのが楽しくなった。これまで、あまり意識していなかったレストランの内装の意味や効果も自分なりに読み解く癖もついた。ストリートこそテクスト足りうる、といった感覚でにわかミシェル・ド・セルトーになった気分だ。
さらりと気軽に読める本だが、日常生活にあふれている色彩に関して意識を高め、敏感にさせてくれる内容の本だと言っていい。

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